最近よく耳にする機会が増えてきた言葉に「SDGs」なるものがあります。その意味としては外務省のホームページに以下のように紹介されています。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられました。2030年を達成年限とし、17のゴールと169のターゲットから構成されています。
17の目標は、
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を達成しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも 経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
要するにSDGsのやりたいこととは「宇宙船地球号」に乗っている我々がこれからも幸せに過ごしていくための人類共通の目標であると思います。
外食業界に関わる私たちが取り組むべきSDGsを今回は考えてみましょう。
まず最初に思いつくのは食品ロスです。
「食品ロス」とは、食べ残しや賞味期限が切れたものもしくは期限が短いもの、商品としての基準を満たしていない(色や形が悪い)などの理由から、まだ食べられるのに捨てられてしまっている食べ物のことです。
消費者庁・農林水産省・環境省の外食時のおいしく「食べきり」ガイドによれば日本において食べられるにもかかわらず廃棄される「食品ロス」が、年間643万トン(平成28年度推計)、発生しています。このうち352万トンが食品産業から発生しています。その内訳をみると、外食産業では133万トンもの食品ロスが発生しており、食べ残しによるものが相当程度を占めています。
飲食店側の工夫として
・おいしく食べきっていただくよう、料理を出すタイミングや、客層に応じた工夫をしましょう。
・お客様が、食事量の調整・選択ができるように、小盛りや小分けの商品をメニューに採用しましょう。
・宴会等、大量の食事を準備する際には、食べ残しが発生しないよう幹事さんや主催者と食事量やメニューを相談しましょう。
また、食べきれずに残した料理の「持ち帰り」には衛生上の問題が伴います。飲食店側には対応できる範囲でとしながら次の項目を挙げています。
・持ち帰りを希望される方には、食中毒のリスクや取り扱い方法等、衛生上の注意事項を十分に説明しましょう。
・持ち帰りには十分に加熱された食品を提供し、生ものや半生など加熱が不十分な料理は、希望者からの要望があっても応じないようにしましょう。
・清潔な容器に、清潔な箸などを使って入れましょう。水分はできるだけ切り、早く冷えるように浅い容器に小分けしましょう。
・夏の季節など外気温が高いときは、持ち帰りを休止するか、保冷剤を提供しましょう。
・その他、料理の取り扱いについて、注意書きを添えるなど、食中毒の予防をするための工夫をしましょう。
お客様側にも適量を注文いただき美味しく食べきっていただき、店側としても小分け、小盛りのメニューに対応するなどお客様と店側のお互いの共通認識として食べ残しを出さない工夫をしていきたいものです。それがひいては身近なところから始めるSDGsといえると思います。