赤酒はみりん代わりに煮物や魚の照り焼きなどに使うと重宝する一品です。しかし、みりんとの違いははっきりしています。みりんはアルコール(または焼酎)の中に麹(こうじ)ともち米を入れ、もち米の澱粉を糖化させ、その糖分がアルコールの中に溶け込んだもので、「発酵」という過程がありません。 これに対し赤酒は、清酒と同様に発酵と糖化が並行して行われ、糖分・アルコール・アミノ酸が渾然一体となって甘味と旨味を醸し出しています。 さらに酒類ではまれな微アルカリ性という性質を持っており、料理に用いた場合、肉類・魚類などのたんぱく質を固めず、ふっくらとした仕上りにすることができます。 みりんとの違いがよく分かるのがテリとツヤです。赤酒の中には、糖分・デキストリン・たんぱく質・アミノ酸などの成分をバランスよく含有しており、照焼き・煮しめ・蒲焼きなどに使用した場合、テリよく仕上がり、冷めても料理のツヤが落ちません。また、アクのある野菜を煮た場合でも、色が変わらずきれいな色に仕上がります。